某スレ批評依頼
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33 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 01:56:27.54 ID:YzMBS02V0 [1/32回(PC)]
おう作品投下するから批評してくれやと思ったが人がいねえな


35 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:01:15.67 ID:py/CYT9u0 [1/4回(PC)]
投下するならはよせい
時間と規制の許す限りいくらでも支援してやる

36 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/05/26(日) 02:04:30.57 ID:YfJgbwEp0 [10/20回(PC)]
>>33
俺にまかせろ
愛媛の方じゃ批評の神と崇められていたからな

38 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:07:54.59 ID:YzMBS02V0 [2/32回(PC)]
じゃあよーいスタート

39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:08:54.32 ID:YzMBS02V0 [3/32回(PC)]
 ( ^ω^) 内藤ホライゾン ― 1 ―  二〇十三年 七月十九日


                      . . . . . . . . . . .
 翌朝、内藤ホライゾンの母親は、腕だけになって発見された。





 話は、三日前に遡る。




.

41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:10:04.84 ID:YzMBS02V0 [4/32回(PC)]
 ( ^ω^) 内藤ホライゾン ― 2 ―  二〇十三年 七月十六日



(;^ω^)(やかましすぎるお……)

 内藤ホライゾンは食堂の入り口でそう呟いた。

 食器が接する音、人が歩きまわる音に、席についたいくつものグループからする話し声。
 それぞれが重なってできた喧騒が、食堂に足を踏み入れた瞬間、耳に飛び込んできた。

 父親が原因不明の高熱を出し、母親がその看病で弁当を作れなかったので、
 ホライゾンは昼食代として千円札を受け取り、入学してから初めて食堂へとやって来たのだが、
 あまりにも酷い騒ぎに普段教室で弁当を食べている彼は威圧された気持ちになってしまう。
  _, ,_
( ^ω^)ウウーン

 この喧騒の中、空席を探してぽつんと座り、ひとりで昼食を食べるのは、
 どうしても落ち着かないだろうと容易に判断がついたので、
 置いてある菓子パンをいくつか手早く買い、逃げるように食堂を後にした。


 ホライゾンが教室の扉を開けると、
 クラスメイト達がいつもと同じように仲の良い友人同士で机を寄せて昼食を食べていた。

( ^ω^)

 ホライゾンはいつもひとりで昼食を摂っている。

43 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:11:18.26 ID:YzMBS02V0 [5/32回(PC)]
 友人がいないわけではない。
 むしろ、いつも笑顔の彼は快活としており、クラスの人気者と言って差し支えなかったが、
 彼は食事の際に余計な要素が入り込むことを嫌っていた。

 母親の作った料理を口に運び、味わう……食事を終えるまで、
 誰にも邪魔されない環境で、静かに、豊かに、味を楽しむ行為がたまらなく好きだったのだ。
 友人達と談笑しながら食べるのも悪くはないのだが、
 食事に集中したい気持ちの方が遥かに大きかった。

 クラス内でも各々のグループで会話は交わされているが、
 囁くような声がほとんどであったので、静かと呼べる部類である。
 お陰で安らかな昼食場所を求めて学校内を徘徊することはない。
       ,
       -
( ´ω`)`

 今日は母親手作りの弁当ではなく、購買の菓子パンを口に運ばなければならないことに
 肩を落としながら自分の席へ向かう途中、教室の隅に視線が止まった。最後列の窓際の席だ。
 ……そこには、ひとりの男子学生がいる。ホライゾンは足を止めて、彼を見た。

('A`)

 彼の名前は鬱之宮ドクヲと言った。
 ホライゾンは彼と会話をしたことがないわけではないが、友人と呼べるほど親しくもない関係だ。
 そんな、ただのクラスメイトに何かふと興味を惹かれたのだろうか?

('A`)「何か用?」

 弁当に箸を向けていたドクヲが、ホライゾンの視線に気付いて顔を上げた。

45 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:13:00.97 ID:YzMBS02V0 [6/32回(PC)]
(;^ω^)「あ、いや……」

 言葉を詰まらせる。自分でも分からないのだ、視線の理由をどう説明出来ようか。
 とにかく、他の話題はないものかと目を泳がせた結果、
 ホライゾンはドクオの前にある、誰も座っていない席を指さした。

(;^ω^)「この席、空いてるかお?」

('A`)「見ての通り、空いてるよ」

(;^ω^)「ここは……誰の席だっけ?」

('A`)「さあ……知らないなあ。とりあえず今は、誰も座ってないよ」

(;^ω^)「そうかお。こんな教室の隅っこになんて普段注目しないからなあ……」

('A`)「それで? 僕に何か用事?」

(;^ω^)「い、一緒にご飯を食べようお」
                                        
('A`)「うん、いいよ」

 焦りのあまり出てしまった言葉に自分でも驚いたが、ドクヲは快く了解してくれた。
 椅子の背もたれを抱え込むようにして彼と向かい合い、
 手に持った菓子パンの袋を開けてかじりつく。いつもの昼食とは比べるまでもない味がした。

47 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:14:22.81 ID:YzMBS02V0 [7/32回(PC)]
('A`)「それにしても、なんで急に僕とご飯を食べようと思ったの?」

(;^ω^)「ええと……何か、気になって」

('A`)「悪いけど、僕にそういう趣味はないよ」

(;^ω^)「ば、馬鹿かお。そういう意味じゃあないお」

('A`)「冗談だよ」

 ドクヲの小さな笑い声を聞きながら、ホライゾンは自問する。
 どうして、興味を惹かれたのだろうか? たまたま視線が彼で止まったから?
 なにかしらの違和感を覚えたのは確かだ。ただ、それが何なのかがはっきりとしない。

('A`)「珍しいね。お弁当じゃあないんだ?」

( ^ω^)「今日は忙しくて、お弁当作れなかったみたいだお。
        .だから食堂で買ってきたんだけど、なんだかあそこは居づらいおね。
        .う、うつのみや君は、食堂に行ったことある?」

('A`)「僕の事は『ドクヲ』でいいよ。鬱之宮って言い難いでしょ?」

( ^ω^)「それじゃあ、そうさせてもらうお。
        .ドクヲは、食堂に行ったことあるかお?」

('A`)「あるよ。いくつかのメニューを食べてみたんだけどさ。全然おいしくないんだ。
    本当、菓子パンの方がマシだよ。内藤君の判断は大正解だ」

( ^ω^)「お? でも、結構な人数が食堂にいたお?
        .ひとりであそこで食事する勇気がなくなってしまうくらいの人数が」

48 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/05/26(日) 02:15:41.38 ID:YfJgbwEp0 [13/20回(PC)]
パンを買うとことかこの食事のシーンとかって必要なの?
ブーンの考えもなんとなくだとかでよくわからんし、今のところまだ赤点だぞ

49 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:16:22.60 ID:YzMBS02V0 [8/32回(PC)]
('A`)「あれはみんな、自分のお弁当を持ち込んだり、
    外のコンビニで買ってきたものを食べているんだ。
    自動販売機があるし、他のクラスの人間とも集まりやすいから、食堂は人気なんだよ」

( ^ω^)「へえー。よく知ってるおねー」

('A`)「まあね」

 そこで会話が一旦途切れ、お互いが昼食を口に運んだ。

 ドクヲが思っていたよりも親しみやすい人格をしていて、ホライゾンは安心していた。

 『不思議な立ち位置――避けられてはいないけど、
 用事がないと話しかけられもしない――にいる、変わったヤツ』。
 ホライゾンはドクヲにそういった印象を抱いていた。恐らく他の生徒も似たようなものだろう。
       . .
 「何か、超然とした印象があるわね」と、
 友人のデレデレ・ラヴロックが評していたのを、ホライゾンは思い出した。
 確かに同じ年齢とは思えない雰囲気を纏っている。
 冷静というよりは、達観と表現した方がより近いだろうか。

 今更ながらもドクオに目を留めたのは、
 そうした静謐さをホライゾンが好む所であったからなのかもしれない。
 きっとそうだと頭の中で納得してから、ホライゾンは話題らしい話題を思い出した。

( ^ω^)「そういえば、ドクヲはこんな噂を知っているかお?」

50 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:18:07.77 ID:YzMBS02V0 [9/32回(PC)]
('A`)「どんな噂?」

( ^ω^)「まず前置きとして言うお。
        .知っての通り、犯罪発生件数と死者数のナンバーワンはG県だお」

('A`)「ワーストワンと言うべきだ」

( ^ω^)「しかし、僕らの住むこのAA県には、不気味な数字があるんだお。
        .G県よりも遥かに多い、この国でぶっちぎりのワーストワンの数字……」
             . . . . . .
( ^ω^)「それは、行方不明者数。
        .ここからが肝心だお。更に注目すると、このAA県にあるSS市。
        .そう、僕らの住むこのSS市の中で起きたものがほとんどなんだお」

( ^ω^)「殺人事件とは違って、失踪事件は大々的に取り扱われないお。
        .ニュースで大きく言及されることはないから、僕らも大して気に留めない。
        .どころか、他の都道府県に住む人だと、こんなことはまったく知らないだろうお」

('A`)「そうだろうね」

( ^ω^)「けど、これって明らかに異常だお?
        .だからオカルト好きな人の間では、様々な噂が交わされているんだお」

('A`)「内藤君も、そのオカルト好きな人間のひとりなのか。
    楽しそうに考察しているところに水を注すようだけど、
    単純に、この街が嫌になってどこか遠くへと行ってしまっただけかもしれないじゃないか」

( ^ω^)「二つとも、その通りだお。
        .僕はオカルト好きでこの件について調べているし、
        .行方不明者は地元の煩わしいすべてから解放されたかったのかもしれない」

51 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:20:29.06 ID:YzMBS02V0 [10/32回(PC)]
( ^ω^)「そして、僕は別に、真相を突き止める気とかないんだお。
        .中には真相を解き明かそうと躍起になっている人もいるけれど、
        .僕は、面白おかしい会話の種以上の発展を求めてはいないお。

('A`)「もしかして、今から話す『噂』というのも、
    学校の七不思議とか都市伝説とか、そういう種類のもの?」

( ^ω^)「その通りだお」

('A`)「そういうのは好きじゃあないんだけどな……ここまで聞いたし最後まで聞くよ」

( ^ω^)「数ある噂の内、僕が最も面白いと思うものを挙げるお」

('A`)「どうぞ」

( ^ω^)「『連続殺人鬼が、この街に潜んでいる』」

('A`)「……」
                                        
 ホライゾンの言葉に、ドクヲは眉一つ動かさなかった。
 しかし対応から、この話題に興味がないわけではないらしい、と察したホライゾンは話を続ける。

( ^ω^)「犯人が密かに街の人間を殺し、処理しているというものだお。
        .漫画や小説ではどこからか痕跡が見つかって、捜査が進展するけれど、
        .今のところ犯人はまったくミスを犯していない」
            . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
( ^ω^)「だから、被害者は行方不明者としてしか表れていない」

52 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:20:34.24 ID:YfJgbwEp0 [14/20回(PC)]
ジョジョじゃねえだろうなあ…
なんか嫌な感じだが

53 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:22:30.28 ID:YzMBS02V0 [11/32回(PC)]
 ホライゾンは自分の中にある熱が更に高まっていくのを感じていた。
 人に自分の考えを発表するのは楽しいものだが、
 聞き手であるドクヲが好みの対応をしてくれるから、尚更盛り上がるのだ。

('A`)「……」

 そうして、しばらく黙りこくっていたドクヲが、ゆっくりと口を開いた。

('A`)「ひとつ、質問しても良いかな?」

( ^ω^)「どうぞどうぞ。構わんお」

('A`)「まずその前置きとして、AA県で出ている行方不明者数について、僕は何も知らない。
    だから他意はないんだ。本当、疑問ってだけで、馬鹿にするようなつもりはないよ。
    オカルトを信じるのは人の自由だ。僕は内藤君を論破しようなんて気はないんだ」

( ^ω^)「……わかったお。それで、質問というのは?」

('A`)「うん。AA県、SS市の行方不明者数がワーストワンの数字というのはさ、いつ頃からなの?」

( ^ω^)「お? どういうことだお?」

('A`)「連続殺人鬼がこの街に潜んで、人々を処理しているのなら、
    そいつが活動を始めた時期から数字が跳ね上がっているんじゃない?」

( ^ω^)「なるほど! 気が付かなかったお!」

 ホライゾンは慌ててポケットから携帯電話を取り出した。
 この件について重要と思われるデータをいつでも確認できるように記録しているのだ。
 彼の指が素早く動く。しばらくの間、画面に目を走らせていたがやがて顔を上げた。

57 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:24:36.38 ID:YzMBS02V0 [12/32回(PC)]
(;^ω^)「ううん……過去を三十年分くらいざっと眺めてみたけれど、
        これといって大きな数字の変化はなかったお……」

('A`)「更に、『大きな数字の変化』というのがどの程度なのかも、僕はわからないけどね。
    毎年毎年、同じ数だけ行方不明者が出るってわけじゃあないし」

( ^ω^)「その通りだお。……おお?
        .だとすると、本当に街に殺人鬼が潜んでいる可能性は、
        .まったくのゼロってわけでもないのかお。バレない程度に殺している可能性がある……?」

('A`)「もう一度言うけれど、行方不明者の正体は、お金に困って逐電した大人だったり、
    若者が家出をしたのかもしれないし、もしかしたら恋人同士で駆け落ちしたのかもしれない」

( ^ω^)「正直、それが一番ありえるものだと思うお。
        .僕もこの街に住んでいなかったらそれで納得しているお。
        .まあ、本当にオカルト好きな人達はあれやこれやと突拍子もないことを言ってるけど」

( ^ω^)「けれど、その結論に『オカルト好き』で『SS市に住んでいる人』は納得していない。
        .僕と、【アイ】という人物だお。
        .僕達は二人とも、この手の事件後によく聞く噂を聞いていない」

( ^ω^)「テレビで良くコメントされるじゃないかお?
        .『そういえばあの人は普段から愚痴をこぼしていた』とか、
        .『いつかはやるとは思っていました』とか、そういうものを」

( ^ω^)「今まですべての行方不明者が、近所の人にまったく愚痴を零さないで、
        .疲れきった暗澹さを少しも悟られないでいるというのは、難しいお?
        .やっぱり何か唐突な事件に巻き込まれたと考えるのも不自然ではないお?」

59 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:26:22.90 ID:YzMBS02V0 [13/32回(PC)]
('A`)「それは、どうだろう。
    見えない所で実は何か悩みを抱えていた……これも、よくある話だと思うけどね。
    特にいまの無縁社会だと、『隣人が突然失踪した』なんて言われても、
    その人の事情なんてロクに知らない事の方が多いと思うよ」

(;^ω^)「おっ……そう言われると、返す言葉もないお……」

('A`)「うん。だから前置きした通りなんだ。
    論破しようなんて気はないし、そういう意見もある、程度に聞き流して欲しいな。
    それよりも僕は、内藤君が関係者に聞き込みまでしているのに驚いたよ」

(;^ω^)「あ……うん。
        その、もうひとりの人が熱心な方なんだお。その人から聞いた話だお」

('A`)「思っていたよりも本格的だね。
    オカルト好きな人達って言うから、何かもっと荒唐無稽なものと思ってた」

( ^ω^)「おっおっおっ。間違ってはいないお。
        .むしろ、ドクヲの言う通り、滅茶苦茶なことをいう人の方が多いお。
        .オカルトもファンタジーも変わりないと言えばそうなんだけれど」

('A`)「他の噂は、どんなものがあるの?」

( ^ω^)「『幽霊に連れて行かれるから振り向いてはいけない小道』とか、
        .『宙に浮いた亀裂に近づくと、空間の狭間に吸い込まれる』とか、
        .『校舎裏から呼ぶ声に反応して行ってみると異世界に移動できる』とか」
                    . . .
('A`)「オカルトらしいね。全部、神隠しと呼べるものじゃあないか。
    案外、その中のどれかが真実なのかもしれないよ」

62 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:28:15.05 ID:YzMBS02V0 [14/32回(PC)]
( ^ω^)「そんなまさかあ」

 ホライゾンの笑い声につられてドクヲも頬を緩めた。

 昼食を食べ終え、それからも他愛のない会話を続けていると予鈴が鳴り響いた。
 昼休みが残り五分で終わるのを告げるチャイムだ。

('A`)「あ、予鈴だ。そろそろ、準備しておく?」

( ^ω^)「お、そうするお。楽しかったお、また話そうお」

 五時限目の授業を受け持つ教師は厳格な人で、
 授業が開始する時間に生徒が席についていないと怒るのだ。
 その怒りの量は出される宿題の量に比例するので、誰もが大人しく従うようにしている。

 ……宿題? ホライゾンは何か引っかかるものを感じて、首を傾げた。
 次の瞬間、シャンパンのコルク栓がはじけ飛ぶように疑問が解消された。
 焦りが、とんでもない勢いでなだれ込んでくる。

(;^ω^)「ああああ! 宿題、忘れてた!」

('A`)「……あーあ」

(;^ω^)「だ、大丈夫だお! 今からやればまだ……!」

64 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:30:00.50 ID:YzMBS02V0 [15/32回(PC)]
('A`)「内藤君、これ、見える?」

 そう言ってドクヲは左腕を伸ばし、学生服をまくり上げた。
 ホライゾンはそこに目を向ける。シンプルなデザインの腕時計が手首に巻かれていた。
    . .  . . . . . . . . . .
('A`)「今は、何時何分何秒でしょうか?」

(;^ω^)「……?」

 からかっているのだろう。ホライゾンは始め、そう思った。
 悪あがきをしようとする自分に対して、諦めろと暗に言っているのだと。
 諭すような言葉と一緒に時計を見せて、もう時間はないぞと突きつけているのだと。

 しかし、ドクヲの表情は真剣そのものだった。    . . . .
 誰もが冗談を飛ばす際、そこに必ず含まれている、いたずらな様子が一切見られない。

(;^ω^)(どういう意味だお?)

 ドクヲが積極的に人と会話する人間ではない、とホライゾンは知っている。
 だからすぐに結論を下せた。ドクヲは冗談が苦手なのだろう、と。
 慣れないことをやって、相手に不気味な印象を与えているだけなのだ。そう思った。

::(;^ω^)o::「ぐぬぬ」

 握りこぶしを作って言葉にならない声を漏らし、わざとらしく悔しがってみせると、
 ドクヲは表情を緩めた。冗談が伝わったことに安心したのだろう。
 おまけに、ホライゾンは口を尖らせてみせた。
 それから、背中を向けて自分の席へ戻る途中、弾かれたように振り返った。

65 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:31:56.48 ID:YzMBS02V0 [16/32回(PC)]
Σ(^ω^;)

 ようやく、違和感の正体がわかったのだ。

 鬱之宮ドクヲに視線を送ったのではない。
 彼の前の席に座っている人物は誰だったか、といった疑問が湧いたのだ。
 今も、厳しい教師がやってくるのでほかの皆が席に着く中、誰もその場所に座らない。

( ^ω^)(……?)

 何かがへばりつくような、薄い違和感にホライゾンは包まれた。
 あの席は一体、誰の席だったか。いや、そもそも誰か座っていただろうか?
 空席にしては随分と中途半端な場所にあるが……。

( ^ω^)(……ま、別にいいお)

 影の薄い生徒が今日は欠席でもしているのだろう。
 結局、取るに足らない出来事に違いないと判断してホライゾンは思考を止めた。

 自分の席についてから、数分後に怒られるのを想像してホライゾンはため息をついた。

 やがて本鈴が鳴り響き、五時限目が開始する。
 教師の叱責とクラスメイトの冷ややかな視線を受け、内藤ホライゾンは肩をすくめた。

( ´ω`) ショブーン

67 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:33:37.72 ID:YzMBS02V0 [17/32回(PC)]
 ( ^ω^) 内藤ホライゾン ― 3 ―  二〇十三年 七月十七日


 翌朝、内藤ホライゾンは、父親である内藤モナーの声で目を覚ました。
 「起きろ。起きろ朝だぞ」と肩を揺すられる感覚に苛立ちを感じて起き上がると、
 父親は嬉しそうに朝の挨拶を行った。ホライゾンが返事をすると満足気に微笑んだ。

( ´ω`)「随分と、元気そうだおね。熱はもう下がったのかお?」

( ´∀`)「もう、元気も元気モナ。普段よりも数倍調子が良いモナよ。
        .大事をとって会社を休んだけれど、元気がありあまっていて仕方ないモナ」

( ´ω`)「そうかお……」

( ´∀`)「母さんが一階で朝ごはんを作っているからね、顔を洗ったら来るモナ」

 父親が部屋から出て行き、足音が遠ざかっていく。

 寝ている間に汗をかいたのだろう。服がからだ中に張り付いている。
 加えて、夏の熱気がすぐにホライゾンに襲いかかってきた。早くも額が汗ばんでくる。
 一枚だけかぶっていた薄い布団を払いのけて、ベッドから降りた。

 洗顔してリビングへ向かうと、内藤レモナが朝食を並べていた。
 ホライゾンの母親である彼女は鼻歌交じりに食器をテーブルの上に置いていく。
 その光景を、モナーが椅子について眺めていた。
 待ちきれない様子で、そわそわとからだを左右に揺すっている。

(;^ω^)「まったく、子供かお」

68 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:35:51.64 ID:YzMBS02V0 [18/32回(PC)]
|゚ノ ^∀^)「あら、おはよう、ホライゾン」

( ^ω^)「おはようだお」

( ´∀`)「よし! それじゃあ、全員揃ったし、いただきますしようモナ!」

|゚ノ ^∀^)「もうちょっと待ってね。モナー君」

( ´Д`)「えー、まだモナ? 待ちきれないモナ。まだモナー?」

( ^ω^)「しっかし、そんなに食欲があるのかお?」

( ´∀`)+「きっと疲れていただけだったんだろうね。一日休んだらこの通りモナ。
         昨日ほとんど食べられなかったから、その分を食べようと身体が求めているモナ。
         レモナの看病のおかげで、体力全快! 明朗快活! 全知全能! モナモナ!」

( ^ω^)「何言ってんだか」

( ´∀`)+「そうだ! ホライゾン、久しぶりにキャッチボールでもしないか?」

( ^ω^)「残念ながら、学校の準備があるお」

( ´Д`)「そこをなんとか!」

( ^ω^)「どうにもならんお」

|゚ノ ^∀^)「アレアレ? わたしには頼んでくれないのかな?」

( ´∀`)「レモナとキャッチボール! おお! それもいいモナねー」

69 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:38:19.42 ID:YzMBS02V0 [19/32回(PC)]
|゚ノ ^∀^)「じゃあまずは、朝ごはんを食べようね」

( ^ω^)「いただきますお」

( ´∀`)「いただきますモナ」

|゚ノ ^∀^)「どうぞ召し上がれ」

 温かい湯気がのぼる白飯に、噛むと出汁が広がるふわふわの卵焼き。
 ほど良い塩味で舌を刺激する焼き鮭と、甘辛く歯触りの良い金平ゴボウ。
 そして、蓋を開けると鼻に飛び込んでくる味噌汁の優しい香り。

 料理には、昨日の昼食の菓子パンとは違う、手作り特有の味わいがある。
 毎日食べているにも関わらず飽きることのないこの味を、おふくろの味と言うのだろうか。
 献立は毎日変わることはなく、ホライゾンはこの朝食がとても好きだった。

( ^ω^)「ごちそうさま」

|゚ノ ^∀^)「お粗末さまでした」

 手を合わせて幸福な食卓を終えたホライゾンは自室へ戻る途中、
 背後から、モナーが三回目のおかわりを求める声がした。

 どうやら、本当に調子が良いようだ。ホライゾンは安心する。
 やはりあの人物はいつも元気に笑っている姿がよく似合っている。
 あんな父親が病に伏せっているのは気分の良いものではなかった。
 それに、父親が全快したのならば、今日は母親の作った弁当が食べられる。

70 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:41:26.29 ID:YzMBS02V0 [20/32回(PC)]
♪~(^ε^ )

 口笛を吹きながら階段を登り、制服へと着替えて、
 鞄に入っている教科書を入れ替えた。
 準備を終えて時計を見ると、家を出る時間にはまだ十五分ほど余裕があった。

 昨日、風変わりな同級生のドクヲと話した内容を思い出し、パソコンの電源を入れた。
 手早くいつものページを開いて、同好の士が集う掲示板に書き込みをする。

 H.N【ブーン】
 『連続殺人鬼がいるとしたら、彼(便宜的にそう呼ぶ)は年間にどの程度の人を殺すのだろう?
  .すべてが行方不明者として処理されているということは、誰にも見つからないよう、
  .徹底に徹底を重ねた計画の上で犯罪を起こしているのだろうから、数はそう多くないはずだ。
  .だから、永々県の年間行方不明者数を調べても成果はなかった。すべては誤差の範囲内でした。
  .同時に、僕は万策尽きた。真実を解き明かすのは【アイ】さんにお任せしました。幸運を祈ります。』
                          . .
( ^ω^)(そもそもの行方不明者の平均数ってのがわからんお……
        .平均から離れているといっても、だからなんなんだお。
        .本当に連続殺人鬼がいるなら、誰かから目撃証言が得られれば一発なんだけど)

 時間が来たので再び一階へと行き、母親から弁当を受け取った。
 自転車に乗って風を切り通学路を進む。やがて校門が見えてきた。
 すれ違う知り合いに声をかけて駐輪所に自転車を止める。そこで、声をかけられた。

ζ(゚ー゚*ζ「おはよ、内藤」

72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:44:19.94 ID:YzMBS02V0 [21/32回(PC)]
( ^ω^)「おはよう。デレ」

 振り向くと、そこには女性がいた。ルーズソックスを履いていて、スカートは短い。
 ホライゾンの親しい友人のデレデレ・ラヴロックだ。
 彼女は縦にロールした金色の髪を指でもてあそんでいる。

 ホライゾンとデレデレの交友は、中学生一年生の頃から続いている。
 他のクラスメイトが初めて見る金髪碧眼の人間に尻込みしている中、
 ホライゾンは目を輝かせ、興味を抑えきれない様子で話しかけたのだった。

( ^ω^)「今日は、彼氏と一緒じゃあないのかお?」

ζ(゚ー゚*ζ「え? 誰のこと?」

( ^ω^)「ほら、あのサッカー部の、茶髪の人」

ζ(゚、゚*ζ?

 小首を傾げるデレデレは小動物的だ。
 かわいらしい物を好み他愛のないことで笑う性格に、
 整った顔立ちと発育した肉体を持つ彼女は異性からの人気がとても高い。

ζ(゚ー゚*ζ「あー! あの人ね! いつの話をしているのさ」

( ^ω^)「また別れたのかお。まだそれほど前の話じゃあないと思うけどな」

ζ(゚ー゚*ζ「二週間も前の話じゃない。
        それからすぐにひとつ上の長岡先輩と付き合って、昨日別れたの」

( ^ω^)「ふうん」

74 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:45:52.88 ID:YzMBS02V0 [22/32回(PC)]
ζ(゚ー゚*ζ「だからあたし、今はフリーだよ。内藤、どう? あたしと付き合ってみない?」

( ^ω^)「遠慮しとくお」

ζ(^ー^*ζ「あはは。だと思った。内藤はおねえちゃんが好きだもんね」

(*^ω^)「……」

 デレデレは日本に帰化したイギリス人の娘で、ひとりの姉がいた。
 自由奔放なデレデレに、理知と刺々しさを加えた正義感の強い女性だ。
 ホライゾンはこの街で警察官になった彼女をしばらく見かけていない。

 デレデレと肩を並べて歩くと、否が応にも視線を受ける。
 一年生であった去年よりは遥かに視線の数は減ったが、
 それでもまだまだ多く、ホライゾンは落ち着かない。

 ホライゾンは、身近な幸福――趣味や話の合う友人関係――に
 埋もれて静かに暮らすことを信条としている。
 注目は余計な面倒を呼び込むため、必要以上に視線を集めるのは好きではなかった。

ζ(゚ー゚*ζ「じゃあね。授業中に寝ないように」

( ^ω^)「がんばるお。そっちこそ」 

ζ(^ー^*ζ「えへへ」

 二人が別れ、それぞれ自分の教室に向かった。

 教室に入ったホライゾンは友人に挨拶をしながら、視線をちらりと教室の隅へと移した。
 ドクヲは既に席についていて、本を読んでいる。……その前の席は、空席だ。

77 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/05/26(日) 02:48:06.13 ID:V6wcxyH8O [1/3回(携帯)]
ミステリー系アドベンチャーゲームの地の文てまさにこんな感じだな
雰囲気出てる

78 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:49:28.67 ID:YzMBS02V0 [23/32回(PC)]
  _, ,_
( ^ω^)(……?)

 不思議であったが、特に考えることでもないのは確かだ。
 やがてチャイムが鳴り、ホームルームが始まった。

 誰も――教師でさえ――、その空席についての話題を出すものはいなかった。


 部活をしていないホライゾンは、夕方頃に帰宅した。
 日が高い夏なので、外はまだ橙色に染まり始めていない。

( ^ω^)「ただいまー」

|゚ノ ^∀^)「おかえりー」

 リビングに荷物を置いて言うと、母親の声が返ってきた。
 冷蔵庫を開けてペットボトルを取り出し、中身のお茶をコップへと注ぐ。
 一気に飲んで、一息ついた。やけに家の中が静かに感じられた。遠くで蝉が鳴いている……。

 母親は庭に出て、洗濯物を取り込んでいるようだ。
 父親はどこへ行ったのだろうか。ホライゾンはそう思ったが、
 特別気になっているわけでもないので、わざわざ母親に声をかけなかった。

 自室へと戻り、ノートと教科書を広げて授業の復習を開始した。
 「高校二年生が一番大事なんだからね。夏までには勉強の習慣をつけておくのよ」
 愛しの彼女――デレデレの姉――からそう言われた日から、
 ホライゾンは今までの怠惰を恥じて勉強を始めたのだった。

79 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:51:27.48 ID:YzMBS02V0 [24/32回(PC)]
 やがて、日が落ちてきた。
 ホライゾンは自室に影が落ちてくるのに気が付き、立ち上がって部屋の電気をつけた。
 数度のまたたきの後、部屋が明るくなる。彼は目をぎゅっと瞑り、大きく伸びをした。

( ^ω^)(ちょっと休憩するお)

 階段を下りる途中、良い香りが鼻をついた。母親が料理をしているのだろう。
 夕飯の献立を聞こうとリビングへ入ると、レモナが勢い良く振り返った。
 ただならぬ様子にホライゾンは少なからず驚いた。足音を聞いたのだろうか?

(;^ω^)「な、何?」

|゚ノ ^∀^)「あ、ごめん。モナー君かと思って……」

( ^ω^)「え? まだ帰ってきていないのかお?」

|゚ノ ^∀^)「うん……キャッチボールした後、散歩してくるって出て行ったよ」

 時計を見ると、十九時をさしている。
 父親が仕事に行っているのなら特に珍しい時間ではない。
 ホライゾンがそう伝えると母親も頷いたが、不安気な表情をしている。

( ^ω^)「そんなに心配なら、探してこようか?」

|゚ノ;^∀^)「いやいや、そこまでしなくても良いよ。そのうちに帰ってくるでしょ」

( ^ω^)「……。ご飯はいつ頃できそう?」

80 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:53:14.75 ID:YzMBS02V0 [25/32回(PC)]
|゚ノ ^∀^)「食べようと思えば今すぐにでも食べられるわよ」

( ^ω^)「うーん……」

|゚ノ ^∀^)「やっぱり、みんな揃ってから食べたい?」

 ホライゾンは今日の朝の光景を想起した。
 自分をわざわざ起こしに来て、一緒に朝食を摂ろうとした父親の姿が。

( ^ω^)「うん……そうだね。もう少し待ってみるお」

|゚ノ ^∀^)「ご飯はみんなで食べたほうが美味しいものね」

( ^ω^)「騒がしく食事するんだったら、ひとりで食べたほうが良いけどね」

 それから二時間経ってもモナーは帰って来なかった。
 ホライゾンは空腹に耐え切れず夕飯を食べた。

 更に二時間が経過した。二十三時。モナーはまだ帰らない。
 携帯に電話をかけたが、繋がらない。数度試したが、無駄であった。
 続いて、レモナはモナーの勤める会社に夫が居ないか電話をしたが、
 出社していないとのことだった。病欠と連絡を受けていたため、不審に思われただけだ。

 とうとう日付が変わった。モナーは依然帰宅しない。
 ホライゾンは就寝したが、レモナはまだ起きていた。

 警察に連絡を入れようか迷ったが、成人男性が一日帰ってこないなんてことは、
 世間ではなんでもない出来事だろう。これは杞憂だと自分に言い聞かせたが、
 同時にレモナの胸の中で不安が膨らんでいく……。
 モナーがレモナに連絡せず、家をあけた日は結婚してからただの一度もなかったのだ。

81 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:55:23.55 ID:YzMBS02V0 [26/32回(PC)]
 ( ^ω^) 内藤ホライゾン ― 4 ―  二〇十三年 七月十八日


 『モナー君を探してきます。レモナ』。

 紙には、そう書かれていた。
 ホライゾンが目を覚まして顔を洗いリビングに行くといつもの匂いがしない。
 どういうことかとリビングを見渡すと、テーブルの上に紙が置いてあったのだ。

(;^ω^)「……」

 冷たい汗が吹き出てくるのを感じた。
 自分が考えていたよりも事態は大きなものになっているようだ。

 「心配症なんだな。すぐに帰ってくるさ」と楽観視する自分と、
 「もしかして、もしかして、もしかすると」と悲観視する自分がいる。
 ただひとつだけ確定していることがあった。今日は、母親の弁当が食べられないのだ。

( ´ω`)「……」

 ホライゾンは落ち込んだが、すぐにそんな自分を叱りつけた。
 父親が危険な状況にあるかもしれないのに、母親が弁当を作っていないのが不満なんて。

 紙を見ていると、父親と母親の強い愛情の繋がりを感じざるを得ない。
 ホライゾンは「羨ましいな」と呟いた。自分にもいつか、そのような伴侶が表れるだろうか?
 脳裏に金髪の女性がちらつき、頬が緩んだ。健康的な女性で身体を動かすのが好きだったっけ。

 トースターにパンを突っ込み、焼けたパンの上に目玉焼きを載せて齧りついた。
 いつもの朝食と比べると寂しいメニューだったが、味はそれなりに悪くなかった。

83 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:56:57.30 ID:YzMBS02V0 [27/32回(PC)]
 学校の準備をして家を出る。
 家の鍵を閉めたかしっかりと確認してから自転車に乗った。
 学校に到着し、いつもと変わらない授業を受けた。退屈だが、やらなくてはならない学習を。


 終礼のチャイムを聞いたホライゾンは、一目散に家を目指した。
 自転車を発進させた。ペダルを漕ぐ足に力がこもっている。
 胸の動悸が激しくなっていた。自然と、サドルから尻を上がっていた。

(;^ω^)「……」

 自転車を止め、扉の前で足を止めた。

(;^ω^)

 いくら睨みつけていても、状況は何も変わらない。
 セミの鳴き声が周囲を取り囲んでいる。心臓の鼓動がやけに大きく聞こえた。

 ゆっくりと手を伸ばし、ホライゾンは取っ手を掴んだ。
 母親が帰ってきているなら、腕を引けば、抵抗なく開くはずだ。
 からだが強張っている……しばらく、取っ手を掴んだまま動けなかった。

(;>ω<)

 意を決して、腕を引いた。

84 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:57:28.63 ID:YzMBS02V0 [28/32回(PC)]
 ガチン。

 肩に衝撃がやってきた。扉が開かない。鍵がかかっている……。
 ホライゾンは背筋が凍るのを感じた。意味を持たない弱々しい声が漏れた。
 鍵を取り出した手が震えている。何度か失敗した後、なんとか、鍵を鍵穴に差し込んだ。

(;^ω^)「ただいま!」

 震える声を押し出すように大声を挙げたが、返事はない。家の中の静寂が、耳に痛かった。
 靴を脱ぎ捨て、リビングに駆け込んだ。……朝と何も変わらない眺めが広がっている。
 テーブルの上には、そのまま紙が置かれていた。『モナー君を探してきます。レモナ』。

 心臓が跳ね、呼吸が浅くなる。「そんな、まさか」と呟きが零れた。
 携帯電話を操作して両親に電話をかける。『電源が入っていないか、電波の届かない……』。
 何度も何度も繰り返したが、両親のどちらとも電話には出なかった。

 警察に電話しようと番号を打った。しかし、すんでのところで手を止める。

 ホライゾンは思う。僕がただひとりで勘違いをしているだけじゃあないのか?
 もしそうだとすれば、高校二年生にもなって、
 少しの間両親が居ないだけで大騒ぎする男性と見られてしまう。

 それが同級生に知られればからかわれるだろうし、
 もしも好きな人に知られてしまったら――彼女は警察官になった――、
 格好悪く思われてしまうのは間違いない。
 ホライゾンの小さく拙い自尊心が、しかし最後の一押しをさせなかった。

85 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 02:58:25.77 ID:YzMBS02V0 [29/32回(PC)]
(;^ω^)「……」

 ホライゾンは自室に行き、学習机に向かってノートを広げた。
 今日の復習をしようとしたが、何も頭に入ってこない。椅子から立ち上がり、
 所在なくうろうろと自室を歩きまわり、本棚からお気に入りの漫画を取り出したりした。

 ホライゾンは時計を見上げた。時間が経つのがやけに遅い。
 それも当然だった。秒針がひとまわりするかしないかのところで、彼は時計に目を向けていた。


 やがて日が沈み、夜になった。
 内藤家は、完全な暗闇に包まれた。ホライゾンは自室でうずくまっている。
 自室の電気をつけることすらできなかった。
 父親の内藤モナーも、母親の内藤レモナも帰ってこない。


 冷たい静寂に囲まれ続けた内藤ホライゾンは、
 とうとう湧き上がる恐怖に全身を支配されてしまった。
 携帯電話を取り出し、三桁の番号を押した。一、一、〇。



 そして、物語は冒頭に繋がる。


.

86 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 03:00:34.80 ID:YzMBS02V0 [30/32回(PC)]
おわり。結構長くて疲れた。

んで、スランプに陥ったというか、書いてて何か納得出来ないので意見が欲しい。
読者目線からもらえるのは超貴重なのでなんでもいいから感想くれ。

87 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/05/26(日) 03:04:41.27 ID:kSVmNzXn0 [2/5回(PC)]
地の文は結構読みやすい

   こういう
  .ピリオドついてるがちょっと気になった

全角スペースの後に半角スペースじゃ駄目かね

話自体はひきがちょっと長すぎる気がしたが、
日常を侵食するホラーな雰囲気がwktkする

89 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 03:12:16.08 ID:YzMBS02V0 [31/32回(PC)]
( ^ω^)「あ
         あ」

ピリオド入れないとズレるじゃん?

あと>>48と>>52で挙げられてる点も確かにそうなんだよなあ
ジョジョ四部的なところは目を瞑るとして読者の引き込みが足りない感はあるのかね

91 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/05/26(日) 03:15:52.54 ID:kSVmNzXn0 [4/5回(PC)]
( ^ω^)「あ
       あ」

( ^ω^)「あ
      .あ」

微妙なズレだな 確かに悩む

92 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 03:16:22.86 ID:V6wcxyH8O [3/3回(携帯)]

カマイタチの夜とかそれ系のゲームのテキスト読んでいるみたいだった
地の文は綺麗というか手慣れている感があったな
ただ行動描写に比重が傾いているから情景や心理描写を足すとバランスが良いかも

ともあれ個人的にはかなり好きだよ

93 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 03:20:06.57 ID:kSVmNzXn0 [5/5回(PC)]
やや長いのと、
>>65みたいに違和感が二つの意味(前の席に対する違和感と、別の違和感)で
使われてたり、分かりにくいというかもたつく感じはあるな

でも続きは気になるんだよ、母さん腕だけって父さんどうしたおいとか

94 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/05/26(日) 03:31:27.50 ID:YzMBS02V0 [32/32回(PC)]
深夜なのに結構意見貰えて感激ですよ

95 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/05/26(日) 03:47:22.28 ID:kfdvIH0SO [1/2回(携帯)]
おつー
まだいるか知らんけど、地の文も会話文も、書き慣れてる感じで読みやすくて良かった

あと、これは俺だけかも知んないけど、ジャンルがサスペンスなのかホラーなのか、
よく分からんくて読む心構えみたいなのが出来ない
プロローグだから仕方ないかもだけど、読者が何を期待できるのかがちょっと弱いかな、と
05/28|その他コメント(0)トラックバック(0)TOP↑
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