ノハ#゚⊿゚) ヒートは全力を尽くすようです!!  5スレ目
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5 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 22:43:58.30 ID:ZMc2ryyQO
Episode13、押し潰した記憶


一個人の私室にしては広く、加えて生活感のない部屋。
工具や出来損ないの機械、他にも気に入らなかった発明品なんかが床のそこかしこに転がっている。

それでも私にとって、ここはお気に入りの自室だ。

从 ゚∀从「そろそろ来る頃かな」

研究所内の各部屋についた監視カメラ。
それらが送る映像を映すモニターはブーン、ヒート、ドクオの3人が合流したことを示していた。

从 ゚∀从「ま、最強の私の手にかかりゃ余裕だけどな」

これは本音だ。

ひたすら強い兵器を追い求めてきた自分がやつらに負ける姿など、想像がつかなかった。

7 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 22:45:45.38 ID:ZMc2ryyQO
1つだけ、気掛かりなことがあった。

从 ゚∀从「ばつはどうなったのかねえ」

先ほどゴミ捨て場内部からいきなりコードの束が飛び出、床に大穴を空けた。

ヘリカルに様子を見に行かせたはいいが、あいつはヒートと鉢合わせて敗北。
その戦いの最中にばつは穴に引きずり込まれ、その後に第2進入者集団であるドクオ達がやってきた。

从 ゚∀从「んでま、穴から出てきたのはドクオだけときた」

あいつのことだ、まさか死んではいないと信じたいが……。

ああ、穴の中にもカメラをつけときゃよかった。
もしも、もしもばつが死んでいたとしたら……。

从#゚∀从「ええい、悲しむな私っ!!
  全てを捨てる覚悟はとっくに決めたんじゃないのか、ええっ!!?」

そう、私は誓ったんだ。
何を犠牲にしても最強の力を手に入れるんだと。

だからばつ1人のために、気持ちを揺らがせてはならない。

从 ゚∀从「とはいえ気持ちの切り換えが必要だよな。
  よし、あいつに頼むか」

10 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 22:47:04.94 ID:ZMc2ryyQO
从 ゚∀从「つー!」

(*゚∀゚)「身体はミニマム心はギガント、毎度お馴染みつーちゃんでーす!」

私の呼び掛けに応じて現れた掌サイズの人型機械つーは、
小さい身体には似つかわしくない大声でそうまくし立てた。

(*゚∀゚)「んでハイン、何かお仕事っぽいかなー?
  寧ろそうだと言って! 暇だし!」

そう話しつつ、欠伸のジェスチャーをする。
我ながら妙なやつを作っちまったもんだ。

しかも何の因果かこれが最速だってんだから……まあいいや。

从 ゚∀从「つー、私は今から気分転換にまどろむ。
  あいつらがここに入ってきそうになったら起こせ」

11 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 22:48:18.07 ID:ZMc2ryyQO
(*゚∀゚)「正気なの? 寧ろ異常だよね!
  すぐ近くに相手が迫ってるってのに、そんなことするなんてさー」

从 ゚∀从「んなことねーよ、こいつを見てみろ」

そう言いつつ、指差したモニター。
そこには何やら揉めている様子のドクオ達が映っている。

(*゚∀゚)「なるほどなるほど、仲間割れってわっけねー!
  アヒャヒャヒャヒャ、確かにこれは長引くぞ!
  よっしゃ、目覚まし役は任せんしゃい!!」

从 ゚∀从「頼んだぞ」

馬鹿そうなこいつだが、これでも私のお手製だ。
私の中でのつーに対する信頼感はズバ抜けている。

だから安心して仮眠をとることが出きた。

(*゚∀゚)「あー、でもこの仕事って結局暇? 寧ろ面倒なだけ?
  なんだかオサボリしたい気分!」

……胸に浮かんだ一抹の不安は忘れよう。

13 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 22:50:46.70 ID:ZMc2ryyQO
夢が誘うは、忘却の彼方……。



ざわざわと音を立て、白波が砂浜を覆う。
照り付ける陽射しは鋭く、ほてった身体によく染みた。

|l|*^ー^)「お姉様ー、ピースなのです!」

私とドクオが作ったアヒル型ボートに乗りながら、ばつがこちらに手を振ってきた。

从 ゚∀从「おうっ、よそ見すると危ないぞ!」

|l|*゚ー゚)「平気なので……」

(;'A`)「うおっ!!」

ばつの乗るスワンはドクオと衝突した。

しかもドクオのやつ、ぷかぷかと脱力したようにして水に浮かんでいる。
もしかしてこれ、真面目にやばいんじゃないか?

|l|;゚ー゚)「ドクオさん、ドクオさんしっかりなのです!!」

('A`)「……」

从;゚∀从「あっちゃー! ありゃ完全に気ぃ失ってるな!
  ばつ、とりあえずドクオをスワンの上に引っ張りあげろ!」

|l|;゚ー゚)「わわわわかったのです!!」

15 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 22:53:52.18 ID:ZMc2ryyQO
('A`)「ううっ、ここは……」

|l|*;ー;)「ドクオさん、生きてて本当によかったのです!!」

(;'A`)「わっ、ちょっ、おい。抱き付くなって!」

|l|*;ー;)「だって、だって、ばつのせいでドクオさんが死んじゃったかと思って、それで……」

スワン衝突から10分、ドクオはようやく意識を取り戻した。

息はあるから大丈夫だと窘めはしたにも関わらず、ばつの取り乱しようといったら。

その分、意識を取り戻したドクオに抱き付くばつの顔は、
涙に塗れながらもとても嬉しそうだった。

从 ゚∀从「はいはい、感動の生還シーンは終了!
  そろそろ飯にでもしようぜ!」

私はパンパンと軽く手を打つと、海の家の方を指差した。

16 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 22:57:23.68 ID:ZMc2ryyQO
从*゚∀从「はあっ、満腹満腹!」

こういう場所での焼きそばってのはどうしてこうも旨いのか。
思わず2杯もいってしまった。

(;'A`)「ちょい食い過ぎたかもしんねー」

私に対抗するかのように3杯もの焼きそばを食べたドクオだが、流石に苦しそうだ。

|l|*゚ー゚)「2人とも凄かったのです!」

ばつは楽しそうにそう言う。
確かに私達みたいな食べっぷりを間近で見れば、結構爽快なのかもしれないな。

('A`)「そうそう、実はちょっと連れて行きたい場所があるんだ。
  着いてきてくれないか?」

疑問文には否定語を返したくなるのが世の常、少し意地悪してみよう。

从 ゚∀从「嫌」

(;'A`)「うわっ、一言で否定かよ!
  ばっ、ばつは着いてきてくれるよな?」

|l|*゚ー゚)「はい、構わないのです!」

从 ゚∀从「んじゃ私も」

(;'A`)「お前は一体何なんだよ……」

17 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 22:58:57.49 ID:ZMc2ryyQO
从;゚∀从「で、これがお前の連れて行きたかった場所なのかよ」

そう言いつつ、私は目の前に聳える灯台を見上げた。

|l|*゚ー゚)「……」

(;'A`)「そう不満そうな顔をするなって!
  とりあえず最上階に行けば、俺がお前達を連れてきたかった訳が分かるから」

从 ゚∀从「ええー、面倒!」

('A`)「いいから行くんだ!」

从;゚∀从「わっ、おい、押すなって!!」

ドクオが背中を押したため、私は無理矢理に灯台の中へと入らさせられる形となった。
一方ばつは、いつの間にか先に灯台の中に入っていたようである。

20 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:00:35.30 ID:ZMc2ryyQO
('A`)「ほらほらっ」

从;゚∀从「うおおおっ!」

ドクオに手を引かれて螺旋階段を駆け上がる。
ああ、ちょっと幸せかも……。

从;゚∀从「って、私は今何を考えたあっ!!?」

おぞましい思いを消し去るため、軽く頭を降る。

('A`)「よし、到着」

そう言いつつ、ドクオが足を止めた。
こいつが指差す先には半開きになった扉、その中には棒立ちしてるばつと……

从*゚∀从「すげぇ!!」

鮮やかな青を見下ろせる、巨大な窓があった。

21 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:02:31.65 ID:ZMc2ryyQO
|l|*゚ー゚)「ドクオさんが見せたかったのはこれだったのですね!」

('A`)「ああ、知り合いがこの灯台を管理してるから、前もって開けといて貰ったんだ。
  こんな景色が見れる場所なのに、月1の点検以外は無人だってんだから勿体ないよな」

ドクオは一息でそう言い、また窓の外に目をやった。

从 ゚∀从「綺麗だな……」

何も特別なものは無いその景色。
青空と海と浜辺、たったそれだけなのに、何よりも美しく見えた。

ふと気付く。

特別なものは無い筈なのに堪らなく心地よいこの景色、
今の私達の生活とどこか似ているじゃないか。

|l|*゚ー゚)「ほぇぇ……いつまでも見ていたいぐらいなのです」

('A`)「なに、また来ればいいさ」

从 ゚∀从「……そうだな!」

私がいて、ドクオがいて、ばつがいて。
それ以外は何もいらない、心からそう思えた。

22 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:04:36.87 ID:ZMc2ryyQO
夢から醒めるのは、いつも突然で……。



(*゚∀゚)「起きな、起きなってハイン!
  寧ろ起きなかったら永遠に眠らせちゃうぞ!!」

耳元で鳴り響くキンキン声。
いくら目覚まし代わりとはいえ、いささか喧し過ぎる。

从 -∀从「うる……さいな……」

从つ∀从「寝起きにお前の声はキツい」

(*゚∀゚)「もうっ、勝手な人!
  いやっ、これは寧ろ横暴!?」

从 ゚∀从「どっちでも似たようなもんだろ……好きにしろ」

突っ込みつつ、モニターに目をやる。
なるほど、確かにそろそろこちらにやってきそうな感じだ。

从 ゚∀从「いっちょ気合入れないとな!」

23 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:05:58.47 ID:ZMc2ryyQO
ドクオが灯台に隠れていたのは知っていた。
それを見逃したのは、思い出の場所を汚したくなかったからなのだろうか。

ばつがヒート達を探知する機械を持ってここを抜け出したのも知っていた。
それを咎めなかったのは、どこか申し訳なく思う気持ちがあったからだろうか。

从#゚∀从「くそっ、こんなモヤモヤした気持ちじゃいけねぇ!!」

そうだ、私の願いを叶えるためにも、
ヒートとの戦いにはなんとしても勝たなくてはならない。

私が荒巻を越えたことを、是が非でも証明するために。

从 -∀从「……つー、私はこの戦い絶対に負けられない。
  力、貸してくれ」

(*゚∀゚)「勿論だよ! 寧ろ喜んで!!」

从 ゚∀从「そいつは心強い」


……私は、絶対に負けない。

25 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:08:21.66 ID:ZMc2ryyQO
Episode14、反発する思い


次に入った部屋は薄暗く、加えてやけに広かった。
その大きさたるや、さっきの部屋が4つは納まりそうなほどだ。

どうやら警備の機械などはないようなので、このまま素通りできそうである。

('A`)「この部屋は作り立ての機械をテストする時に使うとこなんだ」

ノパ⊿゚)「それでこの広さってわけ!」

('A`)「ばつから聞いているかもしれんが、ここを抜ければハインリッヒの私室だ。
  十中八九、やつはそこにいると思う」

( ^ω^)「……」

ふと、さっきからブーンが一言も発していないことに気がついた。
やはり先のショックは大きかったのだろうか?

ノパ⊿゚)「ドクオ、ブーン、一旦ここで作戦会議みたいなことをしない?」

このまま戦いに挑むのはキツいだろう、そう考えて私はそんな提案をした。

27 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:10:47.06 ID:ZMc2ryyQO
('A`)「確かに慌ててコケるよりはその方がいいだろうな」

ノパ⊿゚)「ブーンもそれでいいかな!?」

( ^ω^)「おっ、二人がしたいのなら構わないお」

どうやら全員の賛成が得られたようだ。

('A`)「うーん、それじゃあまずは、それぞれの戦いにおける能力を分析しようか」

ノパ⊿゚)「あー、チップを埋め込まれたといっても色々個人差はありそうだしね!」

( ^ω^)「把握だお」

('A`)「んじゃ、まずは俺についてだが、チップの古さもあるのか身体能力は大したことないようだ。
  ただ、俺にはこいつがある」

そう言いながら懐から取り出した黒い物体。
それは見間違うことなき……

ノパ⊿゚)「拳銃?」

('A`)「元々趣味だったからな、腕はそれなりに自信がある」

ノパ⊿゚)「そういえば初めて会った時……」

(;'A`)「わわわ悪かったって! もう撃ったりしないから勘弁な!」

こうも慌てるドクオを見るのはなんだか新鮮だ。
彼なりに罪悪感を持っているのかもしれない。

28 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:12:04.63 ID:ZMc2ryyQO
ノパ⊿゚)「私は……少なくともブーンよりは動きが悪いと思う。
  仕組みは分からないけど、特定の感情に応じて炎を出せるのが特徴になるのかな」

('A`)「それも灯台を燃やすぐらいに強烈な炎をな」

ノハ;゚⊿゚)「それを言わない!!」

( ^ω^)「だが断る。ドクオさん、kwsk」

ノハ;゚⊿゚)「ブーンも突っ込むなあああ!!」

( ^ω^)「おっおっお」

ちょっと困りはしたけど、ブーンが割と元気そうだと分かったのはよかった。

彼がまだ落ち込んでいるように見えたのは、きっと私の気の性なんだろう。

ノパ⊿゚)「気を取り直して……次はブーンの番だね!!」

30 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:13:32.50 ID:ZMc2ryyQO
( ^ω^)「僕は自分が戦ったらしい時のことをよく覚えてな……」

ノパ⊿゚)('A`)「「速かった」」

(;^ω^)「おっ?」

('A`)「ここに侵入した時に出てきた機械を倒した手際、半端なかったんだぞ?」

私と合流する前にもそんなことがあったんだ。
しぃの取り巻きを倒した姿を見たからか、ドクオが言う光景は容易に想像がつく。

ノパ⊿゚)「さっきだって、2体同時に襲ってきたのをあっという間に倒しちゃったんだよ!」

( ^ω^)「うーん……自覚が無いお」

やはり記憶があやふやなようだが、ブーンが戦力として当てになるのは確かだろう。

('A`)「そういえばブーン、その話しぶりだとまた記憶が無くなったのか?」

( ^ω^)「ドクオさんのことはヒートさんから話を聞いたり直に会ったりして思い出せたけど、
    大部分は失われてしまったみたいだお」

('A`)「そうか……でも心配すんな、ハインリッヒになんとかさせてやるからさ!」

( ^ω^)「うん、期待してるお」

31 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:15:17.04 ID:ZMc2ryyQO
('A`)「これで戦力確認は終了、他に話すべきことはあるか?」

ノパ⊿゚)「あっ、私から1ついいかな!?」

('A`)「おう、言ってみてくれ」

2人の視線が私に集まる。

ノパ⊿゚)「ドクオは録音する時に聞いていたと思うからいいとして、
  ブーン、あなたは今からハインリッヒをどうするつもり?」

( ^ω^)「どうすると言われても……普通に倒すだけだお」

ノパ⊿゚)「なら、決して彼女を必要以上に痛め付けようとはしない?」

( ^ω^)「……」

黙りこくるブーン。
この反応には、暗に質問に対する否定の意を籠めているのだろう。

彼のハインリッヒに対する憎悪には凄まじいものがあるのではないだろうか。
薄々感じていたことが、確信に近くなった。

32 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:17:06.38 ID:ZMc2ryyQO
ばつは遺言にて、ハインリッヒを殺さないようにと頼んだ。
それは私に託された彼女の悲願。

だから私はブーンを説得しなければならない。

ノパ⊿゚)「ブーン、お願いがあるの!」

( ^ω^)「何だお?」

ノパ⊿゚)「ハインリッヒを絶対に殺さないと誓って!!」

私は頭を地面と平行になるほどに深く下げた。

(;^ω^)「ヒートさん、頭を上げるお!」

ノパ⊿゚)「あなたがハインリッヒを殺さないと誓ったら、直ぐにでも上げる!」

( ^ω^)「それは……」

('A`)「おいおいおい、お互い自分の心情も語らずに意見をぶつけるなんて、ちょっと無理がないか?」

その言葉を聞いてハッとした。

私はばつの悲願を是が非でも果たそうとしていたが、
同じようにブーンにも達成したい何かがあるのではないだろうか。
それがハインリッヒを倒す、いや、殺すことなのだとしたら……。

恐らくこの予想は当たっているのだろう。
だからこそ私はブーンに、自分の想いを真摯にぶつけなくてはならない。

35 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:18:36.40 ID:ZMc2ryyQO
ノパ⊿゚)「ごめんねブーン、訳も話さずいきなりこんなことを言って!
  私がハインリッヒを殺さないで欲しいと思った理由、言わせてくれる?」

( ^ω^)「……頼むお」

ノパ⊿゚)「ばつっていう、大切な友達がいたの。
  彼女は私に彼女の義姉であるハインリッヒを殺さないよう頼んだ、だから……」

( ^ω^)「君は故人を隠れ蓑にするのかお?」

ナイフのように鋭い言葉がブーンから発せられる。
予想外の言葉に一瞬思考が停止した。

( ^ω^)「もう一度聞くお。
    君は故人を隠れ蓑に、僕が成そうとしていることを止めるつもりなのかお?」

ノハ;゚⊿゚)「隠れ蓑だなんて、そんなこと……」

ブーンの発言に圧されてしどろもどろになってしまう。

( ^ω^)「……このままじゃあフェアじゃない、
    僕の方もハインリッヒを殺したいと思ってる理由を言うお」

彼はもはや、ハインリッヒに対する殺意を隠すことを放棄していた。

36 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:20:34.25 ID:ZMc2ryyQO
( ^ω^)「僕は最愛の人をこの手で殺すことを余儀なくされた。
    ハインリッヒを殺したいほど憎んでいる理由はそれだけだお」

ブーンは早口にそう言い、床にしゃがみ込んだ。

( ^ω^)「僕の中に残っている記憶は、ツンやドクオさんに関すること以外にもあるんだお。
    それが何かというと……」

そのままの姿勢で手を振り上げ、

(#^ω^)「ハインリッヒに対するどうしようもない憎しみだお!!!」

地面を殴りつける。
金属製の床は大きくひび割れ、彼の手からも血が吹き出た。

('A`)「ブーン、お前……」

(#^ω^)「最愛の人をこの手で殺す気持ちがあんたらに分かるのか!!!?
    最後まで自分のことを信じてくれた人を、自分の意志と関係なく殺す気持ちが!!!!」

37 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:22:12.42 ID:ZMc2ryyQO
(#^ω^)「だから殺してやる、殺してやるんだお!!!!」

ノハ;゚⊿゚)「ブーン、落ち着いて!!!」

(#^ω^)「そんなことできる訳が……」

(#'A`)「御託はいいから頭を冷やせ!!」

ドクオはそう叫びながらブーンの両肩を掴んだ。

(#^ω^)「いくら頭を冷やそうと、
    ハインリッヒを殺したいほど憎んでいることは変わらないんだお!!!」

(#'A`)「憎しみに身を任せてハインリッヒを殺した先に何が残るってんだ!!」

(#^ω^)「それは……」

(#'A`)「故人を隠れ蓑だと!? よく考えてみろ、お前だって同じことをしてるじゃねえか!!」

38 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:23:42.83 ID:ZMc2ryyQO
(#;ω;)「だったらこのやり場のない気持ちはどこにやればいいんだお!!!」

ブーンは肩にかけられたドクオの手を振り払い、すっくと立ち上がった。
彼の両の眼には溢れんばかりの涙が浮かんでいる。

( ;ω;)「うっ、うううっ……」

ノパ⊿゚)「私達の手で謝らせよう?
  ハインリッヒをツンさんの墓前に連れて行って」

( ;ω;)「あ…ああっ……お墓……?」

ノパ⊿゚)「そう、お墓の前に連れていくの。
  きっとツンさんは、ハインリッヒを殺すことなんて望んでな……」

( ;ω;)「うああああああっ!!!!」

ブーンは頭を抱えて悲鳴を上げた。

ノハ;゚⊿゚)「ブーン!!?」

( ;ω;)「無いんだお、僕は仇を討つことばかり考えていたから、お墓を作ってないんだお!!!
    ごめんおツン、僕は憎しみに任せて見るべき物を間違えて…」

私とドクオはブーンに声をかけることすらできずにいた。

彼の哀しみはきっと、想像もつかない程に深い。

40 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:25:03.56 ID:ZMc2ryyQO
( ;ω;)「……行くお!」

ブーンは頭を抱えていた手を解き、扉の方を指差してそう言った。

(;'A`)「そんな精神状態でか!?」

( ;ω;)「大丈夫、もうハインリッヒを殺そうとはしないお。
    それでも今はただ、一刻も早くけじめをつけたいんだお!!!」

('A`)「けじめ、か……」


しばし沈黙が訪れる。



ノパ⊿゚)「……ごめんねブーン、ありがとう」


私はそう呟くと、ハインリッヒの部屋に続く扉の方へ歩き始めた。

42 名前: ◆Cs058I7w36 :2007/10/19(金) 23:26:43.25 ID:ZMc2ryyQO
ノパ⊿゚)「生半可な時間が癒やせるほど、ブーンの心の傷は浅くない」


( ^ω^)「……」


ノパ⊿゚)「ばつ、ブーン、ドクオ、そして他のチップを埋め込まれた人……何より私自身のために」


ドアノブに手をかける。


ノパ⊿゚)「一刻も早くハインリッヒを倒す!!!」


そう叫ぶと同時、私は勢いよく扉を開けた。
その先にいたのは、ドクオから見せられた写真と同じ顔をした……

从 ゚∀从「よう、会えて嬉しいぜ」


ハインリッヒ高岡、その人だった。
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